月夜の太陽
俺を庇うように立つ、がたいのいい男。


誰だ…。



『殺す数が増えた』

『ダハハハハッッ!!俺を殺すか…お前さんらのような青二才には無理な話だな』



目の前に立つ男の口調は普通だが、もの凄い殺気を放つ。


この男も普通のバンパイアとは違う。


男たちはぶが悪いと思ったのか、一瞬にして闇の中に姿を消してしまった。



『大丈夫か?』



振り返り、俺の前に腰を下ろし傷口を見る男は想像していたよりも、優しそうな顔をしていた。



『ありがとうございました』

『気にすんな、俺の気まぐれだ』

『ジオラさんッッ!!こんなところにいたんですか!?探したんですからね!!』

『悪ぃ悪ぃ』



ジオラと呼ばれた男は悪いと言いながらも、そうは思っていないようだ。






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