月夜の太陽
『銀のナイフですね』

『あぁ、これ抜いたらバンパイアでも出血多量で死んじまうだろうよ』

『でも、僕もジオラさんも治癒能力は持ってませんし…』

『しゃぁねぇ!!呼ぶしかねぇな』

『ダメ元でお願いしてみましょう』



ジオラという男が何やら呪文を唱え始めた。


すると使い魔が現れ、飛んでいってしまった。



『襲った相手に心当たりはないんですか?』

『…ない』

『奴ら戦闘や殺しに慣れてた。俺が来なかったらお前は間違いなく今日死んでたぞ』



この人の言う通りだ。


俺は死んでたかもしれない。


死ぬかもしれなと思った時、ルナの笑顔が浮かんだ。


最後に会いたいと思ったのは家族ではなく、ルナだった。






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