ちぐはぐ遠距離恋愛



「あらおはよう…真白ちゃん」

「智春さん…、ごめんね?」

「何が?」

「こんな遅くまで…、いろいろしてくれて」

「ふふ…、全然大丈夫よ。諒太も凌くんと遊べて嬉しいみたい」



智春さんはリビングの扉を見た。



「はは…」

「真白ちゃん、お粥作ったんだけど食べれる?」

「あ、うん」

「じゃあ座っててね」



智春さんは楽しそうにキッチンに向かい鍋に火をかけた。


あたしは椅子に座りながらその姿を見た。



数分後、梅干しがちょこんとのったお粥が湯気を立たしてでてきた。




「おいしそう…」

「やだ、粥なんて誰でも作れるわよ」



智春さんはお茶を出してくれながらそう笑う。




あたしはそのお粥を一粒も残さず食べた。


智春さんは嬉しそうに食器を洗ってくれた。



「あ…嘉和さんは?」

「あぁ、家にいるわよ」



キョトンとして言った。



「え、じゃあご飯食べてないんじゃない?智春さん、もう真白は平気だから帰っていいよ」

「何言ってんの!大丈夫よ、将太[しょうた]もいるし」



将太は、諒太のお兄さん。

高校三年生で、スポーツ万能、成績優秀な完璧イケメン男子だ。


あたしたちは将ちゃんと呼んでいて小さい頃から親しくさせてもらっている。



「そっか…」

「ええ。さ、早く休みなさい。熱測ってね」

「うん。高かったら教えるよ」



あたしはそう言ってリビングを出た。





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