ちぐはぐ遠距離恋愛



本当に変な先輩だったよな。

まぁもうあたしには関係ないよね。



(忘れよう忘れよう)




今日の授業と終学活も終わったので皆が鞄を持って廊下に出ていく。



「あれ〜?村野それどうしたの?」



その声につい、つられて右を向いた。

遥菜が、諒太の左頬をじっと見つめていた。



「なんでもない」

「でもめっちゃ赤く腫れて…」



左頬――?


腫れてる――?



赤く、腫れて……(あぁっ!!!)



サァーと血の気が引いていく。



(そうだ、あたし、諒太にも平手打ちを…)



そのことまですっかり忘れていた。



(大丈夫かな?)



あたしも諒太をじっと見つめる。


左頬は、水戸以上に赤くなっていて…。

(本当にやりすぎた)



いくらカッとなったからって、手加減せずになぐっちゃった。



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