ちぐはぐ遠距離恋愛



って、そんなことじゃない。



モテ期―――だって?

そんなん、冗談じゃない。

奈緒美いわく、カップルになるならないだけじゃなく、告白されることだってあるらしい


(こくは、く…)


それは、多分。いや、きっと、

『好きです』とか、『付き合って』とかいう申し込みのこと。


しかも、今年って…。
誰にされるっていうの?

少なくとも、この学校以外の男はない。

夏休みに出会ってなんたら――とか、現実にありえるわけがない!


だから、

告白とかされるとしたら、



この学校の中の生徒で、


同じクラスの、男子だったりするわけであって……。



「わぁぁ!!」



考えただけで全身に鳥肌が立った。



「ま、真白ちゃん?」



隣にいる先輩があたしをまじまじと見つめる。

でもそんなのお構いなしに、あたしの頭はフル回転をし続ける。




(いやいやいや、どうしよう。本当だったら…)


だって、要するに、


水戸とか、陵本とか……

諒太、とか―――?!




(お、落ち着け!!)




どんどん膨らむ考えを頭から追い出す。




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