朝が待てなくて
「は? 既成事実って?」
「決まってるでしょ? 手をつなぐとか、キスをするとか?」
キ、キスー…!?
「ないないないない。できないよ、そんなの」
「だから、あんたがするんじゃなくって樹クンがしてくんのよ」
「し、してこないよ」
狼らしいけど…。
「だからそうなるように、デートの度に真琴のことを好きになるように仕向けよう!」
サ、サホリン…? 無理だよ?
しかも別にデートってわけじゃないんだし。
「今度誘われたら教えてよね。一緒に作戦を練ろう」
「………」
「やっぱさ、どんなシチュエーションで会うのかによって違ってくるじゃん」
なんて彼女はめちゃくちゃ張り切り出した。