朝が待てなくて

だけど樹、映画を観てここでパスタを食べるのが元カノとのデートコースだったって、丸わかりだよ?


たぶんこういうお店、男同士では来ないもん。





ウェーターがパスタを持ってきて、わたしたちの目の前に置いていく。



「うわぁ、おいしそう!」


思わず声に出ちゃった。


そうして、フッと微笑む彼の視線にドギマギして、フォークを持つ手がぎこちなくなる。





そんなわたしとは裏腹に、樹はてんで余裕しゃくしゃくで


「学校どう?」なんて訊いてくれたよ。



わたしはもうすっかり慣れてきた新生活についていろんな話をした。


サホリンやミャンマーと入ったテニス部の練習が結構キツイことや、来週他校とやる練習試合に出られることとか。


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