朝が待てなくて
「だってホントに太陽みたいだよ?」
「こんなしょぼい太陽があるか、バーカ」
ポコッと頭を叩かれる。
「痛いよ」
悲しげな声で訴えたら、樹はちょっとウケて、今度は大きな手のひらでいい子いい子をしてくれた。
優しい笑顔。
澄んだ瞳。
何歳になっても樹はきっとこんな顔をして笑うんだ。
「俺のこと、太陽だなんて言うのは真琴だけだ」
照れくさそうな表情で。
あ……
ちがうよ? 樹が太陽みたいだって、わたしに教えてくれたのは、美里さんだもん。