朝が待てなくて
タッタカタッタカ早足で歩いてきたのに、もう追いつかれて真後ろで樹の声が呼んだ。
「おい、真琴?」
シカトしてズンズン歩いてると、グイッと腕を掴まれた。
「おいってば。どーしたんだよ急に?」
「ん? 何が?」
「何で急に帰んだよ?」
「別に。お母さんが心配するし」
澄ました顔でそう言った。よかった、まだ泣いてなくて。
樹は腕を掴んだまま突っ立って、戸惑ったようにわたしの顔を見ている。
ふん……だ。樹のバカ。
思わず手を振り払うようにして、また歩き出したとき、彼が言った。