ラフ
しばらくすると、九条が起きてきた。

「あ、おはようございます」

「おはようござじます。早いね、奈緒ちゃん」

背伸びをしながら、リビングに入ってきた。

「なんかちょっと、目が覚めちゃって」

苦笑いしながらコーヒーを入れた。

「飲みますか?」

「ありがとう」

2人はソファに座ってテレビをつけた。
朝から、いろんなニュースが飛び交っていた。

「・・・なんか、平和そうに見えるけど、事件っていっぱい、いろんなところで起こってるんですね」

ずずっとコーヒーをすすりながら、ボソッとつぶやいた。
そうだね、と、九条も頷く。

『続いての話題です。昨日、大阪市内で起こりました、とあるマンションでの殺人未遂ですが・・・』

コーヒーを飲んでいた手を止めた。自分のニュースだ。
内容は、参考重要人として、田辺洋子がつかまったという内容だった。九条は急いで携帯を確認する。今里から、田辺逮捕のメールが入っていた。

「・・・例の愛ちゃんって子、見つかったみたい」

「みたい・・・・ですね」

しかし、愛の書き込みの動機は、泉と私のつながりに直接絡むことになる。一抹の不安を感じた。


「あとは、とにかく、行動を起こした人物を見つけられればいいんだけど」

「そうですね・・・」

はぁ、とため息をついた。

『さて、この一連の事件ですが、どうやらもともとは、お笑い芸人ピースの高松さんのファンの犯行だということで、本日はなんと、高松さんご本人が、スタジオにいらっしゃってます。高松さん、どうぞー』

「ぶっふっほ・・・げほっげほっげほ・・・」

思わぬ人の登場で、むせる。

「た、高松さん!?」

テレビを見ると、確かに本人が出演していた。もちろん、相方の高瀬とともに。
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