ラフ
恨みがましい目で高松を見る。
本当に、どうして。こうも私に嫌がらせをするのかと、ため息が出そうになる。

「・・・しばらくはおとなしくしとくわ、ってか、ピースのお2人がとっとと帰ってくれれば、私は外に出られると思うけどねっ!」

高松と高瀬をねめつけた。

「今日はこれから、打ち上げやから、俺たちまだ帰れんでー?」

のんきな高松の声に少しだけイラっとした。
感謝したのはやっぱり間違いだったか、と、高松に気を許していた自分が嫌になった。

邪魔にならないよう、隅っこの方によけていると、携帯がなった。確認すると、泉からのメールだった。

【今日の晩御飯、何がいいか、考えといて】

思わず顔が緩む。

【個室があるとこがいいよね?でも、私まだ外に出れそうにないけど】

メールを打ちながら、自分の状況を思い出し、ブルーになる。送信すると、すぐに返事が返ってきた。

【なんで?】

【泉君の先輩のせいで、追っかけたちに目、つけられた。今、外出るのは危ないかもって、明日香に言われた】

メールを打ちながら、どんどん、憂鬱になっていく。

【今どこ?】

【・・・控え室の前?】

はぁ、とため息と同時にメールを送った。すると、後ろからにょっと顔が出てきて、肩にちょこん、と乗っかってきた。

「わあぁ!・・・・びっくりした!もー、ちょっと、やめてくれるかな!?」

ぷりぷりと怒りながら、顔の主、高松をしかる。おでこもぺちっと軽く叩く。

「何してんのかなーと思って」

後ろからぎゅーっと抱きついてきたかと思うと、顔をぐりぐり、と押し付けてきた。

「やぁーめぇーてぇぇぇーーーー!」

じたばたと暴れて、何とか逃げる。
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