ラフ
秘密
***** 奈緒's View *****

今日は泉と一緒にご飯を食べる。
・・・ことになってるかな、一応。

納得いかない。
何で、何で、なんで!
打ち上げに私が行かないと行けないの!
泉と2人っきりで、ご飯、行きたかったのに。

高松と高瀬のせいで、関係ないのに、なぜか打ち上げに参加することになった、奈緒と明日香。明日香はなんだかんだで、楽しそうに高瀬と話をしている。
似た者同士というか。
あの2人は、なんか似てるところがあるような感じなのよねぇ。

で、私はというと。
隣には高松がいる。
泉じゃなく、高松がいる。

泉は少し離れたところで、堺や別の芸人さんや、スタッフと一緒にご飯を食べていた。
ため息が出そうになるのを、あわててこらえた。

――――最近、なんかため息多いな、私。


「奈緒ちゃん、飲んでるー??」

「飲んでる、飲んでる」

高松に言われてそっけなく返す。

「そっけないなぁ。ほら、すすんでへんやん。のーんでのーんでのんで♪のーんでのーんでのんで♪」

どんなノリだよ、と乾いた笑いを浮かべながら、そそがれたビールを飲んだ。

「そういえばさ、奈緒ちゃんって、高松さんの彼女なの!?」

目の前に座っていた鬼無が、目を輝かせながら聞いてきた。思わず噴き出しそうになる。

「げほっげほっ・・・・」

「だ、大丈夫??」

あわてて鬼無が水を渡してきた。

「ご、ごめんなさ・・・・げほっ・・・・」

水を飲んでふぅ、と息をついた。

「俺としては、奈緒ちゃんが彼女になってくれたらすっげー嬉しいんだけどな~♪」

高松が肩を抱いてきた。すかさず手をぺしっとはたく。

「私には、ちゃぁんと彼氏がいます!」

えぇ!?と周りの人たちが驚きの声を上げた。

「な、なに!?」

逆にびっくりして、こっちも声を上げてしまった。
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