ラフ
「付き合ってないの!?高松さんと奈緒ちゃん!」

なにをそんなに驚くことがあるのか、不思議でたまらない。

「付き合ってないですけど」

きっぱり言うと、高松がしゅん、とした顔をする。

「奈緒ちゃん、きっぱり言うなぁ」

「きっぱりもなにも、本当のことやもん。私には、ちゃんと大事な彼氏がいるの」

少し、声を大きくする。ほんの少しでも、泉に聞こえるようにと。
でも、泉の方をちらっと見てみたが、聞こえていないようだった。
ま、そんなもんよね。。

「でもさー、ちょっとは高松さんにこー、ぐらっときたりせーへんかった?」

八十場が身を乗り出して聞いてくる。

「そーそー。高松さん、男前やし」

鬼無も一緒に身を乗り出す。

「おー!お前ら、もっと言うたって!」

うんうん、と高松が頷く。

「・・・顔はいいと思いますよ?でも、性格に難ありですからね」

ちろっと高松の方を向く。高松はけらけらと笑ってた。

「でも、高松さんには感謝してるんです。いろいろ、助けてくれたというか」

少しだけ、笑った。

「いい人ですしね。高松さん。でもなんか、こー。お兄ちゃんって感じ?じゃないですか??」

周りの人たちが笑う。高松も、奈緒の頭を撫でながら、笑った。

「そうそう、奈緒ちゃんは・・・・」



その後もしばらく、スタッフや出演者たちに、あれこれといろんなことを聞かれ、いろんなことを話した。泉と2人っきりの食事が、またお預けになったのさ寂しかったけど。でも、楽しい時間だった。
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