ラフ
「とりあえず、言うといてあげたら?」

そうですね、と、少し沈み気味に答えた。

「でも、いいなぁ、ピースの高松さんと知り合いとか」

「私は、高瀬さんの方がいいなぁ」

あの2人の人気は、やっぱりすごいなぁと、改めて感心した。
ほんとに、たった数日しかたっていなかったのに、いろんな出来事が一気に起こったなぁ、と少し笑えた。

「とりあえず、さっきの話は、絶対に内緒にしといてくださいね?」

そういうと、うんうん。と2人は頷いた。まぁ、たぶん。この人たちは大丈夫だと思うが。しかし、なんで昨日の今日で、こんなことになるのかと、つくづく、自分の運命が恨めしく思えてならなかった。

席に戻って仕事をする。
周りの人たちの反応は、やっぱり朝と変わらない。多分、2人の言ってたことが原因だろう。

高松は私の疫病神や。絶対に。

そう思いつつも、御礼と謝罪がまだだと思って、とりあえず、メールを送っておいた。

【昨日はありがとうございました。楽しかったです。あと、今日の朝、昨日のことが、ニュースで流れてたらしいです。私のせいですいません】

ポチっと送信して、仕事を再開した。正直な話、仕事が手につかず、困った。とにかく、今日の夕方、泉と会うためだけに、必死で仕事を終わらそうとがんばった。
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