だからキスして。
幸哉先生と、お父さん

それ以外の人達からも、あたしは怒られたり軽蔑されたりするのだと思っていた。

人と接するのが怖くて仕方なかったけれど、現実はそうじゃなかった。

二人以外の警察の人、保護司の人。大人達はあたしの話しをちゃんと聞いてくれたし、逃げずに向き合ってくれた。

そんな経験が初めてで、自分自身が落ち着いていくのがわかった。

今日もまた幸哉先生を捕まえて、あたしは毎日の出来事を話した。

「許されるってこういう事なのかな…」

「ん?どした突然」

「みんなが優しいんだよねって思ったの」

「…そうか。でもそれはお前が頑張ってるからだし、きちんと反省もしてるからだと思うよ」

「そうなのかな…運が良かったのかもしれないよね。周りにいい人がたくさん居たって」

「確かにあるかもな」

「…先生もね」

「ん?」

「先生に会えたから…前向きになれたんだと思うの。ありがとう」

「えっ、あ─…照れるな」

なんかね、素直に感謝の言葉が出てきた。ようやくお礼が言えた事が嬉しかった。

もういいよね…?



言ってもいいよね?


もう黙ってられないよ


「先生…あたし…先生の事が好きなの…」


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