だからキスして。
これ以上、何か話したら涙をこらえていても声が震えちゃう。

「立花、でもオレ…」

「もういいの!忘れてよ!」

ショックだった…

先生が結婚していた事実。
ううん、フラれた事がショックだったのかな…?

もう何も言えずに、あたしは立ち上がって後ろを向いた。

「も、もう帰ろ!ってか、あたし帰るね!」

「立花、待てって!話しを…」

先生は離れようとしたあたしの腕を掴んだ。途端に涙があふれてきた。

…ガマンするのは限界だった。

「ヤだ…見ないで…」

真剣に先生の事が好きだったと、先生に知られたくなかった。

フラれて泣いてるだなんて知られたくなかった。

「ゴメン…立花…黙ってて…」

嫌だよ。
謝らないで────

これ以上、先生のそばには居られない。

「先生…サヨナラ」

あたしは手を振り払い、先生の顔を一度も見る事なくその場を立ち去った。






先生の事、好きでいたらダメなんだ。

もう好きになっちゃダメなんだ。

忘れなきゃダメなんだ…。




でも好き。
まだ好き。


ずっと好き………



この気持ちは、ドコへ持っていけばいいの?

もう先生には会えないよ…。
< 103 / 110 >

この作品をシェア

pagetop