HOPE
そして、これは僕に渡された。
綾人は沙耶子を僕に託したのだ。
それなのに……僕は……。
自分の情けなさに、目蓋がじんわりと熱くなり、やがて涙が出て来た。
いつもの事だ。
こんな事。
でも、本当にこれで良いのか?
僕は……。
翌日、学校には盛大に遅刻した。
休み時間になったのを見計らって、教室へ入ると、何故か天道は僕の椅子に座っていた。
しかも、かなりきつい表情をしている。
なるべく天道と目を会わせない様に、僕は渋々と自分の机のフックに荷物を置いて、教室を出ようとした。
しかし、教室を出ようとした時、天道は僕の腕を掴んだ。
「……何だよ?」
天道は周りを少しだけ見渡し、軽く舌打ちをする。
「ちょっと来い!」
そこは屋上だった。
午前中という事もあり、とても空気が澄んでいる。
僕の目前にいる天道の空気は、かなり淀んでいるけど。
「どういうつもりだ!?」
「何が?」
その返答に、天道はきゅっと拳を握る。
「約束したのに……」
次の瞬間、もう言葉を発する余裕はなかった。
なぜなら、彼女の拳は僕の腹を直撃していたからだ。
「痛ってぇ……」
腹を抱えて、その場に蹲る。
「な、何するんだよ!?」
「昨日……言ったのに……」
「は?」
「遅刻するなって……」
『遅刻するなよ』
昨日の別れ際、確かに天道はそう言っていた。
それなら、怒るのもしょうがないかもしれないが、さすがに腹パンはない様な気がする。
僕は痛みに耐えながらも立ち上がった。
綾人は沙耶子を僕に託したのだ。
それなのに……僕は……。
自分の情けなさに、目蓋がじんわりと熱くなり、やがて涙が出て来た。
いつもの事だ。
こんな事。
でも、本当にこれで良いのか?
僕は……。
翌日、学校には盛大に遅刻した。
休み時間になったのを見計らって、教室へ入ると、何故か天道は僕の椅子に座っていた。
しかも、かなりきつい表情をしている。
なるべく天道と目を会わせない様に、僕は渋々と自分の机のフックに荷物を置いて、教室を出ようとした。
しかし、教室を出ようとした時、天道は僕の腕を掴んだ。
「……何だよ?」
天道は周りを少しだけ見渡し、軽く舌打ちをする。
「ちょっと来い!」
そこは屋上だった。
午前中という事もあり、とても空気が澄んでいる。
僕の目前にいる天道の空気は、かなり淀んでいるけど。
「どういうつもりだ!?」
「何が?」
その返答に、天道はきゅっと拳を握る。
「約束したのに……」
次の瞬間、もう言葉を発する余裕はなかった。
なぜなら、彼女の拳は僕の腹を直撃していたからだ。
「痛ってぇ……」
腹を抱えて、その場に蹲る。
「な、何するんだよ!?」
「昨日……言ったのに……」
「は?」
「遅刻するなって……」
『遅刻するなよ』
昨日の別れ際、確かに天道はそう言っていた。
それなら、怒るのもしょうがないかもしれないが、さすがに腹パンはない様な気がする。
僕は痛みに耐えながらも立ち上がった。