* 王子と契約彼女 *
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
「(キキ、緊張スル‥‥///)」
「はい、次ななの番♪」
私春風なな、只今脳が沸騰中です。
"優くん"に連れられカラオケに着いた私は、"優くん"と部屋に二人きり!
今更ながら名前も聞かれて、"なな"って呼ばれるようになって///
"優くん"の美声も聴いて、次、私の番。
「("優くん"の前で‥歌‥‥)」
緊張MAXの私に歌えなんて、"優くん"見かけによらずなんてSなんだ。
なんて思いつつも
「はい♪」
天使の笑顔で私にマイクを差し出す"優くん"に、キュンとハートを打ち抜かれる私。
そして渋々、歌う。
「ななうまーい!!!♪♪」
ノリノリの"優くん"。
「(いかん‥身がもたん‥‥)」
カラオケボックスに入ってたったの10分。
既に私は倒れそうなほど。
しかし、そんな私はすぐ思い出した。
「(あれ‥"優くん"彼女いるんじゃ?!?!)」
いくら友達?といえど、女の子と二人きりでカラオケに来てるなんて‥彼女は嫌な思いをするに違いない。
私はいてもたってもいられず、"優くん"に言った。
「あの、先輩。先輩はどう考えるか分からないですけど、彼女さんに悪いと思います。彼女さん、嫌な思いすると思います!」
「え、なに??彼女??」
「女の子と二人でカラオケなんて‥私だったら悲しいですもん」
「????待って???」
「先輩とカラオケ来れたのは嬉しいですけど、私、帰ります!」
"優くん"の話は一切聞かず突っ走る私は、バッグを持って、帰ろうと席を立つ。
「待てよっっ‥」
そんな私に"優くん"は強く呼び止め、また私の腕を掴んだ。
はじめて見た、"優くん"の真顔。
「その事なんだけどさ、相談乗ってほしいんだ、!」
私に?そんな親しくない私に?
「え‥私が、ですか?」
「うん、ななに相談乗ってほしくて」
なぜ私?
意味が分からないけど、頼られたら断れない私は、"優くん"の相談に乗ることにした。