紫陽花の中の猫
★Prologue・2


―――――――
―――――――――
―――――――――――




『あのーもしかしてK1の聖夜選手ですか?!』




たまたま、入ったファミレスで俺は店員に話し掛けられた。



『…そうですが…?』




俺はその時、女の人と一緒にいた為、かなり愛想悪く接したと思う。




『…私、彼氏と聖夜選手の試合観に行った事あるんです!!それまで格闘技苦手だったんですが、まじかで観た試合に魅了されてそれ以来、聖夜選手のファンになりました!よかったらサイン下さい!』




彼女は持っていたメモ帳にサインしてくれと俺に言ってきた。




俺は黙ってそれにサインと彼女の名前を入れた気がする。




その店員のハシャギぷりに少し引きながら…。




そう、彼女の名前は……




「「美月」」





彼女の名前をとっさに思い出しように発した。
< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop