紫陽花の中の猫

雨の中、俺はただひたすら歩きながらボクシングの事だけを考えていた…。



何時もなら公園を通って帰る事はないが、今日は公園の中を跨いで帰る事にした。



シトシトと降る雨は止む気配はなく地面に降り注ぎ公園に所々ある水溜まりに雨が落ちる度に水溜まりを揺らしているのが解る。



公園を抜ける間際あたりまで来た頃だった。



屋根付きのベンチに人影が見える。



俺はそのベンチにふと目を向けた。
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