エリートな彼は溺愛を隠さない
私がそう言うと彼は初めて口を開いた。

「…俺を戻して村尾と話の続きをするのか…?」

え…。夏哉、聞いてたの…?

目を見開く私に彼は更に言った。

「俺よりアイツの方がいいのか?」

は?な、何でそんな…。

「な、何言ってるの。誰もそんな事…」

慌てて否定しようとした私に夏哉はニコ、と寂しそうに笑うと呼ばれていた場所へと戻って行った。

何なのよ…、一体…。

私が一言でも村尾係長が好きだと言った?

夏哉はずっと私を無視していたじゃないの。

「………」

あ、まずい。…泣きそう…。

私は静かに席を立つと宴会場を出た。


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