エリートな彼は溺愛を隠さない
宿の玄関ロビーに数多くある応接セットの一つにパタリと腰掛ける。

自分の膝元を俯いて見ていると宿の浴衣の上にポタリと涙が落ちて染み込んだ。

何よ…。楽しみにしていたのに、ここに来て最初の会話がさっきのあれだなんて…。

「…うっ…」

後から後から流れ落ちる涙が浴衣の上をさらに濡らしていく。

…その時。


「城田さん」

え。

顔を上げるとそこには村尾係長が立っていた。

「…泣いてるの?」



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