エリートな彼は溺愛を隠さない
「いや、だけど…、こんな時間だし」

こんな時間に女を一人置いてはおけないだろ。
そういう男の事情も分かれよ。

込み上げる怒りを抑えながら更に俺が言うと、彼女は俺を睨みながら言った。

「もう、放っておいてくれませんか?
星野さんは帰って下さい!」

「!!」

帰れ、だと?
プツンと頭の線が一本切れたような感じがする。

そんな驚く俺からフッと目線を外すと彼女はまた何事もなかったかのようにパソコンに向き合った。

何だよ、その態度は。
人が、心配して言ってやってるのに…。

やっぱりコイツは………可愛くねぇ。

「あっそ。じゃあ、お疲れ」

俺はそう言ってドアに向かうと廊下に出た。

本当に帰ってやる。
どうなっても知らないからな。
そのファイルもぜってー手伝わないからな!

チビハゲに怒られてても助けないからな!


ドアを閉める瞬間、最後にちら、と彼女を見る。



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