エリートな彼は溺愛を隠さない
最後にドアが閉め切られる直前に、彼女と一瞬目が合った。

…その時、見えてしまった。

不安そうに俺を見つめて切なく揺れる彼女の瞳の輝きを。

……!!

俺は閉めかけたドアを再びグイッと開けると部屋に再び入り彼女の方へと歩いて行った。

「え?星野さん?」

彼女の手首を掴みそのまま彼女を立ち上がらせた。

「あの!?」

「城田さ、俺が好きなんじゃねぇ?」

「え?」

…うわ、俺、めちゃくちゃだ。何をしたいんだ?

でも、何だか引き下がれない。

しかしさっきから何で俺、コイツにこんなにこだわってんの?

こんな奴、一人にしてさっさと帰ればいいものを。

城田もそうしろ、と言っているのに。


「さっきから、そんな気がしてた。
…好き…なんじゃないの?」

彼女の瞳を近くで見詰めて思う。
………やっぱり、可愛い。

怯えたように俺を見上げながら小さな仔犬のようにうるうると潤み出す。

大きな眼鏡の奥にこんな瞳を隠し持っていたとは。

本当にこれがあの、地味で目立たなかった城田なのか!?

…女って、分かんねぇ…。




< 22 / 164 >

この作品をシェア

pagetop