エリートな彼は溺愛を隠さない
彼女の瞳がゆらゆらと揺れながら俺を見つめる。

「え…、何で」

その中に含まれる驚愕の色が俺の心を更に揺さぶる。

ふと、脳裏にある思いがよぎる。
…好きだと、言わせたい、この女に……。

俺は……どうしたと言うのか。

好きなんて言われる事は面倒なんじゃなかったのか?

コイツは課の中で唯一苦手な女じゃなかったのか?

…何だろう、この気持ちは…。

ムカムカするし、イライラもする。……もどかしくも思うし、ドキドキもする。

完全に混乱している。

長年、作り上げ、守ってきた自分の今の人格を足元から揺すられるような不思議な感覚。

―――だけど、嫌ではない。
むしろ俺自身、見てみたい気もする。

自分を守る為に着込んだ鉄の鎧を脱ぎ捨てた自分の姿を。




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