エリートな彼は溺愛を隠さない
「い、い、…いや…」

は?
この期に及んで、…いや、だと?…強情な女だな。

俺も半分、意地になってきていた。

言え。俺を好きだと。
俺のものになりたいと。


「…いや?何、…嫌なの」

俺がそう言うと彼女は今にも泣き出しそうな顔で俺をチロッと見た。

頬が熟れたリンゴみたいに紅くなっている。

俺は彼女をからかうのが段々楽しくなってきていた。

「…もう一度、キスしてあげようか?
そしたら…好きだと言えよ」

そう言って彼女に少しずつ顔を近付けていく…。

「…やなの…」

ん?…何か言ってる?

俺は顔を近付けるのを止めて彼女の目を覗き込んだ。

「…本気じゃないなら、嫌なの!!
からかわないで下さい!
星野さんは絶対に本気にはならないんでしょ!」

は?何?

俺が遊びでしか付き合わないって?

…………。

……確かに、そうだ。
今までずっと…そうだった。




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