紙飛行機
「....お、..かぁ、さん?」
ふと、あたしは夢の中から目を覚ました
ように、お母さんを呼んだ。
「シ、シズク?大丈夫!?大丈夫なの!?」
「お、お母さん、どうしたの?」
「よかっ...た..あ...」
お母さんは、その場に倒れこんだ。
でも、あたし何で病院にいるんだろう。
怪我でもしたのかな?
「お母さん、あたし何で病院にいるのお?」
「...え?」
一瞬、お母さんが目を丸く大きく見開いた
のがわかった。
「覚えてないの?シズク」
覚えてないのって、お母さんに言われたけど
まだ小さかったあたしは何も答えられなかった。
「これは、ある一部分の記憶が消えてしまう
症状ですね。この怪我での、後遺症でしょう」
近くにいた、おいしゃさんが淡々と話す。
「...そ、そんな」
お母さんは、再び泣きじゃくっていた。