紙飛行機
あたしは、病院の周りを見渡した。
すると、近くにお母さんぐらいの人と
小さな男の子が立っていた。
「..だあれ?」
あたしが小さく男の子に向かって、
つぶやいた。
「シズク、なんにも俺のコト
覚えていないの?」
一瞬、男の子の目が震えた。
「....だあれ?どうして、あたしの
名前をしってるの?」
小さな男の子の周りにいた、お母さんぐらいの
人は、泣いていた。
「シズク。ホントにごめん。俺、もう
シズクに会わないよ、ホントにごめんなさい」
男の子の目から溢れ出る、小さな小さな雫。
あたし、悪いことしちゃったのかな。
お母さん、でも怒ってない。
なんでだろう、頭が痛い。痛い。痛い。
それからが、悲劇の始まりだった。