初恋ディジー

「佐脇はいつも何かと手伝いとかやってくれてるし、こういう時は他の奴が……」


「責任感が強い人だと思うので、実行委員にはピッタリなんじゃないですか?」


考え込む先生を説得する感じで、佐藤さんがさらに言葉を重ねた。


「うーん……」


「――ッ、あのっ!」


私は椅子を立ち上がり、教壇に立つ先生に叫ぶ。


「やります……実行委員」


誰かがやると言わなければ、いつまで経っても話が先に進まないと思った。


だから私は実行委員を引き受けることにした。


「だってよ、先生!これで女子は佐脇さんで決定だねっ!」


「……そうか?じゃあ、佐脇頼んだぞ。後は男子を決めるぞ」


“ハイ”と返事して着席すると、私は再びプリントに視線を落とした
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