愛情狂現-2人の日常-
リビングのドアからひょっこりと顔を出して、長谷川君の様子をうかがう。
うーむ・・・手慣れてる感じだ。
普段から料理をしているのか、その手つきは素早くて綺麗。
どぎまぎしながら包丁を握る私とは比べ物にならない。
・・・これなら最初から長谷川君に来てもらえばよかった。
少しの後悔を覚えつつ、私は自作のお粥を口に運ぶ。
「うぇ!?春ちゃん、まだそれ食べてるの?」
「うん。だってもったいないし」
「いや・・・おいしい、ならいいんだけどさ」
苦笑する長谷川君。
よくわからないが、私の味覚は普通じゃないらしい。