愛情狂現-2人の日常-



「・・・いい匂い。春が作ってくれたの?」


「え、あ、うん。インターネットでレシピを検索して作ったの」


「そっか・・・ありがとう」


私の頭を軽くなで、弱々しく微笑む。


内心キュンとしたことは黙っておこう。



「はい、秋。あーんして」


そう言うと、秋が口を開ける。


暑くないように数回吹き冷まし、それを秋の口に運んだ。


ゆっくりと咀嚼を繰り返す秋。


そしてそれを呑みこんだ。



< 44 / 50 >

この作品をシェア

pagetop