愛情狂現-2人の日常-
お腹がいっぱいになったのか、秋はすぐに寝息を立て始める。
私はお椀を盆に載せ、部屋を出た。
リビングに戻ると、長谷川くんは洗い物をしていた。
「長谷川君、秋おいしいって。もう大丈夫だよ、ありがとう」
「そっか、よかった」
長谷川君はほっと胸を撫でおろし、優しく微笑んだ。
「でも、秋がダウンしちゃったんじゃいろいろ大変でしょ?春ちゃんの分の夕飯も作っていこうか?」
「ありがとう、でも大丈夫。それくらいは自分でやらなきゃね」
「そう?でもやっぱり心配だなぁ」
心配?どういう意味だろう。
考えていることが表情に出ていたのか、長谷川君は困ったように笑う。
「秋の様子も心配だし、やっぱり2人の夕飯作って帰るね」
「本当にありがとね。長谷川君には助けてもらってばっかりだなぁ」
「いいんだよ。オレだって好きな子の役に立てて嬉しいんだから」
・・・なるほど。
なんと答えていいかわからず曖昧に笑うと、長谷川君もいたずらっぽく笑った。