大地くんの天気予報
玄関を開けると、いつものように、奥の方から三味線の音が聞こえてきた。
…と、それと同時に、母さんが奥の部屋から顔を出し、少し足早に廊下を歩いて、玄関にいる僕のところまでやって来た…。
「清風…」
「…母さん、ただいま。…どうしたの?」
母さんは、なんだか少し心配そうな顔をして言った。
「…実はね、今、絢ちゃんがいるの、…清風の部屋に」
「…僕の部屋に、…絢姉さんが?」
僕は、意味がわからず目を見開いて母さんを見た。
「…絢ちゃん、さっきお稽古が終わったところなんだけど…、なんだか清風に話したいことがあるから、部屋で待たせてほしい、って言うものだから…」
「…絢姉さんが、僕に…?」
話があるって…、いったい、何だろう…。