幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「お前達、おばあちゃんはいつも暗くなる前に帰って来るのだな?」


子供達が頷く。


「どうするの、ホーク?」


「後でもう一度来てみる」

ホークはそう言ってから、テーブルの上に硬貨を乗せた。

「馬を繋がせてくれた礼だ。おばあちゃんに渡してくれ」


外に出てから、『おかしなところはなかった?』と、あたしは聞いた。

あたしが子供達といる間に、ホークは家の中と周りを確かめたはずだ。


「お前と仕事をすると、いちいち説明する手間が省けるな」

ホークはニヤッと笑った。

「別段、変わった様子もなかったな。家の中も外も手入れが行き届いている。長期間留守にしている訳ではないだろう」


「でも、ルーがずっといないって、どうしたんだろうね――後からあたしも一緒に来ようか?」


ホークはあたしの顔をじっと見てから、首を横に振った。


「今日は十分お前を連れ回した」




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