幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ホークはポケットからお菓子を取り出して、子供達に渡した。


「おばあちゃんはいるかな?」


「いないよ!」


ホークはちょっと顔をしかめた。


「どこへ行ったのか分かるか?」


「森。草を集めてる」


「ルーは? お兄ちゃんも一緒か?」


「うん……たぶん。お兄ちゃんはずっといないの」


あたしとホークは顔を見合わせた。


「ねえ、喉が渇いちゃった。お水をご馳走してくれる?」


あたしの言葉に、子供達は頷いてあたしの両手を引っ張った。


子供達の家に入り、あたしはカップに水差しの水を注いだ。

一口飲んで、子供達にも飲ませてやる。

ザッと見たところ、家の中は変わった様子もない。

しばらく子供達と話していると、ホークが入って来た。

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