幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

 3

噂話ってのは、尾ヒレがついてあっという間に広がるものらしい。


たった一晩で、あたしはユニコーンを召喚した大魔導士になっていた。


「おかげで師のわたしも有名人だ」

ホークがからかうように言う。


もともと有名人じゃないの。


王妃様に至っては、『レディ·クリスタルの謀略で暗殺されかかったところを、王が救い出した』と、いうことになっていた。

しかも、王は成長した王妃様のあまりの美しさに感動して、改めて求愛中だというオマケまで付いている。


「いいですね、その話」

アーサー·リーが言った。

「広めましょう。王様のイメージアップにピッタリだ」


「イメージアップ? 本気か?」

上座に座っている王様が皮肉っぽく言った。


王宮の一室では、重臣を集めた作戦会議が開かれていた。

アーサー·リーはともかく、その場になぜあたしが呼ばれたのかは、理解に苦しむ。

ホークは『目を離して、これ以上王宮を吹き飛ばされたくないからだろう』って言った。

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