幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
噛まれた所が燃えるように熱い。


あたしは悲鳴を上げた。


どこかで破裂音がする。


「アレクサンドラ!」

「サンディ!」


遠くから聞こえるホークの声

母の泣き声


あたしはどうしちゃったの?


――忘れんな。<扉>を入れるんだぞ


サラマンダーの声が耳元で囁いた。


<扉>ね……あたしは呟いた。


「ドアがどうしたって?」

ホークの声が言う。

「なんだって鍵などかけていたのだ?」


あたしは鍵なんてかけていない。

きっと、あのサラマンダーがかけたんだ。


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