幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
――ただ、どの魔導士も、オイラ達に求めているのはおしゃべりの能力じゃないってだけさ


「知恵を求められる事はないの?」


あたしが聞くと、サラマンダーはフフッと笑ったように見えた。

サラマンダーが笑うとするなら、だけど。


――嬢ちゃんは賢いな


「馬鹿じゃないけど、賢いってほどでもないよ」


――そこだよ。大抵の魔導士は、自分が賢いと思ってる


あたしは頷いた。

最高位の魔導士は<賢者>と呼ばれるくらいだもの、賢いに決まってる。


――奢っている奴には真実が見えないもんさ。自分の目の前に知恵の泉があっても気付きもしない


「あんたは知恵の泉なの?」


――大方の魔導士よりも知識はあるぜ。ひょっとしたら、嬢ちゃんのお師匠さんよりもほんのちょっぴり


「あたしに魔法を教えられる?」

あたしは期待を込めて、サラマンダーに尋ねた。

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