サグラダ・ファミリア
「ズルッ!」
白髪が突然シンの手首を掴んだ。
「ズルじゃないよ、僕等、乗客にカウントされないもの」
「え?・・・何?」
混乱する私に、シンはニコリと笑いかけると、
手の中に、
軽やかさに切符をワサワサと溢れさせた。
「?!」
手品?!いや、魔法?!
「俺等は存在しない生き物なんだ、
だから物理法則は、通用しない・・・、
通用しているように、
ポーズを取っている、
君も出来るようになるよ、いずれ」
シンの声は寂しげ。
「ほら・・・!」
瞬きしたか、しないか、わからない間に、
シンは突然、寝巻きを着用した今朝の姿になっていた。
「今朝もこうやってね」
数秒で元の姿に。今のは幻?
「こんなことをしている間に、
俺等はどんどん、物社会から離れていくんだろうね・・・
そして物ではなくなる」
「シン?」
「唯物論は間違いだったと、今の俺なら言えるけど、
聞いてくれる相手がいない、誰も俺に気づかない」
静かな声だったが、やけくそな響き。
私はシンの両手を取った。
「落ち着いて」
「・・・、」
シンは幼い顔をして、目を丸くして私を見た。
「誰に声が届かなくても、私には届くし、
誰に触れられなくても、私には触れられるから」
シンの手から、
脈打つような、不思議な熱が来た。
「うん」
シンは笑わずに、頷いた。
真剣な目で見つめられ、頬が火照る。
「俺にはゆうこだけだよ」
心の底から、言ったらしい台詞は、殺し文句だった。
男女の意味を含んでいなかったとしても、
シンがかっこいい男の子から、
特別な男の子に変化するには十分の。
狐を見ると、尻尾を不機嫌に揺らしながら、
白髪の腕の中で悠々と眠っていた。
白髪が突然シンの手首を掴んだ。
「ズルじゃないよ、僕等、乗客にカウントされないもの」
「え?・・・何?」
混乱する私に、シンはニコリと笑いかけると、
手の中に、
軽やかさに切符をワサワサと溢れさせた。
「?!」
手品?!いや、魔法?!
「俺等は存在しない生き物なんだ、
だから物理法則は、通用しない・・・、
通用しているように、
ポーズを取っている、
君も出来るようになるよ、いずれ」
シンの声は寂しげ。
「ほら・・・!」
瞬きしたか、しないか、わからない間に、
シンは突然、寝巻きを着用した今朝の姿になっていた。
「今朝もこうやってね」
数秒で元の姿に。今のは幻?
「こんなことをしている間に、
俺等はどんどん、物社会から離れていくんだろうね・・・
そして物ではなくなる」
「シン?」
「唯物論は間違いだったと、今の俺なら言えるけど、
聞いてくれる相手がいない、誰も俺に気づかない」
静かな声だったが、やけくそな響き。
私はシンの両手を取った。
「落ち着いて」
「・・・、」
シンは幼い顔をして、目を丸くして私を見た。
「誰に声が届かなくても、私には届くし、
誰に触れられなくても、私には触れられるから」
シンの手から、
脈打つような、不思議な熱が来た。
「うん」
シンは笑わずに、頷いた。
真剣な目で見つめられ、頬が火照る。
「俺にはゆうこだけだよ」
心の底から、言ったらしい台詞は、殺し文句だった。
男女の意味を含んでいなかったとしても、
シンがかっこいい男の子から、
特別な男の子に変化するには十分の。
狐を見ると、尻尾を不機嫌に揺らしながら、
白髪の腕の中で悠々と眠っていた。