サグラダ・ファミリア
例によって急に現われる法則。
白髪の後ろに、長い薄茶の巻き毛を、
腰まで垂らした白人美女と、
木で出来たマネキンのようなものが立っていた。
美女はマネキンの肩を支えながら、
妖艶に笑っていた。

「!Que guapa estas hoy! Bueno como siempre.」

白髪は美女に向かい、
何語かを囁くと、
外人スマイルを作り、
抱きしめて両頬にキスをした。

『ああケイ、なんて久しぶりなのかしら』

美女も白髪を抱きしめる。
それから、私達に目をやった。

『随分可愛らしい方々と付き合ってるのね』
『紹介しようか、日本人だよ』
『そうなの?!嘘、浮世絵と全然違うじゃない!
 驚いたわ』
『裸婦はいつも裸で居るわけじゃないだろう?』
『そうね、・・・ああ、ここは何の中?
 広い馬車ね!何人乗り?
 久しぶりすぎて文化がわからないわ、
 凄いスピード!
 最近の馬車はミサイルで動いているのかしら?』
『説明は今度だ、長くなるからね、
 クイナ、彼はシン、その隣はゆうこだよ!』
『初めましてシン、ゆうこ、クイナよ』
『初めまして』
シンが微笑むと、クイナは眉を寄せた。

『偉いのね、こんな遠い国まで子どもだけで来て』
『・・・いえ、もう17なので』
『そうは見えないわよ?僕?』
『私も17です、クイナさん』
クイナは戸惑ったように、白髪を見て、
白髪が頷くと大きい仕草でショックを表現した。
『信じられないわ!』
『君は少し東洋で暮らす必要があるね』
白髪が額に手を当てて首を振る。
今までの、日本人らしい仕草から一辺した、
西洋的応答。表情もクッキリして、何だかカッコイイ。
白髪は本来の人種に戻ると、途端に色男になる。

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