サグラダ・ファミリア
「見えてるよ」
何か、変化していっているのかな。
夕子は私が体験していた夕子じゃなくて、
夕子独自の、夕子だけの夕子になって行っている。
私は、私が抜けてからの夕子の内部を知らない。
「まず、声がはっきり聞こえてて、姿は・・・、
・・・えーっと、
狐さんは、なんか、赤い塊なんだけど、
ゆうこさんははっきり見える、
空港で初めて会った時、びっくりした」
「あの時は私もびっくりした」
ていうか、
「聞こう聞こうと思ってたんだけど、
なんで私のこと、さん付け?」
「え、それは、・・・癖で」
「同一人物なのに」
「でも、もう定着しちゃったよ」
どうして、私は夕子のことを、
夕子さんと呼ぶ気にならなかったんだろう。
そもそも、私は本当に、
この目の前の、
遠慮がちな女のコだったんだろうか。
少し違う時間を過ごしただけ、
違う相手と、行動を共にしただけで、
この差が出る。
私はたぶん、狐の傍若無人さに、
影響されて、気遣いの心が欠けていった。
けど、夕子はその間、シンと一緒に居た。
女のコらしく居られる時を過ごして来た。
「夕子さ、シンのこと好きでしょ?」
「えっ・・・?!」
ぶわ、と頬を赤らめ、
動揺して唇の端をひくひくさせて、丸分かり。
私も好きなんだ、と言いかけてやめた。
窓の外に狐が居たから。
『おい変態、何してんだ?』
『変態じゃねぇ、
・・・入るぞ?』
『駄目』
狐は、すっと窓を通り抜けた。
『駄目って言ったのに!』
『聞こえなかった』
『何、何の用、・・・一応ここ女のコ二人の部屋なんだからさ、
少しは・・・』
説教の途中で、腰が抜ける程恐怖した。
狐の後ろに、巨人の頭があった。歪な顔の、巨人。
窓の外に身体があるらしく、
頭だけ、
部屋に入り込んで来ていた。
狐を食そうと、大口を開けて、間際まで迫っている。
「狐っ!!!」
何か、変化していっているのかな。
夕子は私が体験していた夕子じゃなくて、
夕子独自の、夕子だけの夕子になって行っている。
私は、私が抜けてからの夕子の内部を知らない。
「まず、声がはっきり聞こえてて、姿は・・・、
・・・えーっと、
狐さんは、なんか、赤い塊なんだけど、
ゆうこさんははっきり見える、
空港で初めて会った時、びっくりした」
「あの時は私もびっくりした」
ていうか、
「聞こう聞こうと思ってたんだけど、
なんで私のこと、さん付け?」
「え、それは、・・・癖で」
「同一人物なのに」
「でも、もう定着しちゃったよ」
どうして、私は夕子のことを、
夕子さんと呼ぶ気にならなかったんだろう。
そもそも、私は本当に、
この目の前の、
遠慮がちな女のコだったんだろうか。
少し違う時間を過ごしただけ、
違う相手と、行動を共にしただけで、
この差が出る。
私はたぶん、狐の傍若無人さに、
影響されて、気遣いの心が欠けていった。
けど、夕子はその間、シンと一緒に居た。
女のコらしく居られる時を過ごして来た。
「夕子さ、シンのこと好きでしょ?」
「えっ・・・?!」
ぶわ、と頬を赤らめ、
動揺して唇の端をひくひくさせて、丸分かり。
私も好きなんだ、と言いかけてやめた。
窓の外に狐が居たから。
『おい変態、何してんだ?』
『変態じゃねぇ、
・・・入るぞ?』
『駄目』
狐は、すっと窓を通り抜けた。
『駄目って言ったのに!』
『聞こえなかった』
『何、何の用、・・・一応ここ女のコ二人の部屋なんだからさ、
少しは・・・』
説教の途中で、腰が抜ける程恐怖した。
狐の後ろに、巨人の頭があった。歪な顔の、巨人。
窓の外に身体があるらしく、
頭だけ、
部屋に入り込んで来ていた。
狐を食そうと、大口を開けて、間際まで迫っている。
「狐っ!!!」