NObody
夢では、何度も何度もあなたの名前を呼び笑かける私がいた。
でも、実際には会いに行ける距離なのに会いに行こうとはせず
同窓会のハガキもすぐに破って捨ててしまっていた。

会いたいのに、会いたくない。
途轍もない矛盾だが、どこかでまた会えるような気がしていたのだ。
運命なら、運命の相手なら必ず会える…なんて子供みたいに。

でも、そんな物は私の作った幻想で夢で
あなたはちっとも現れてはくれなくて

分かったの、分かってしまったのだ。
チャンスは巡ってこない。偶然なんてめったに起こらない。
運命なんてない。
全ては動いた人の手に…

今ここで私が会いに行かなければ、もう次にそう思う事はないかもしれない。
いろんな言い訳を並べてきっときっと諦める。

会いに行かなくちゃ。

恥ずかしい…恥ずかしい。
頭の中では理性が必死に抵抗している。

でも、もうそろそろ答えを聞かなくては。

今の私が、あの頃と少しだけ違うとすれば
今なら後悔しないように言えるのに。って思える所

今なら?…今だから
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