深海のサンドリヨン



「お前もそろそろ決めねばならぬ。
結婚相手を。」

「いやだね。
自分の道は自分で決める。」

「お前は仮にも王子じゃぞ!!」


王子と呼ばれる人はただひたすら、相手が言う言葉を軽く受け流すだけで全くきちんと聴こうともしません

しびれをきらしたのか、小言を言っていた男は船の中へ去っていきました


『素敵な方…。』

レフィーは思わず呟きます

態度は傲慢ではあるけれども、その滑らかなクリーム色の髪、吸い込まれるような青い瞳、透き通った肌はレフィーの心を引き付けるのに十分なものでした

そして、その呟きは彼女に聞こえる程度の小さな呟きでしかなかったはずですが、彼女の声があまりにも澄んでいるので風がその呟きを王子の下へ運んでしまいました


その美しい呟きを聞いた王子は、ゆっくりと海に視線をおとします






< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop