王子と秘密の甘い時間。


「どーせ、慧斗のことだから、愛実の“私、雪ちゃんのモノになるんだって。”って言葉に嫉妬したんでしょ。」


麻奈は得意気にフンッと笑った。





「……チッ。ほっとけよ。」


俺はそう言って、
その場を離れた。


人通りのない廊下から、人通りの多い廊下に出る。


「ぁ、王子……ッ!!」


ペアの女子が俺に駆け寄ってきた。


「ええと……、」


名前が出てこない。


「若林奈々(ワカバヤシナナ)です!!」

「若林さん、どうしたの?」


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