海までの距離
松岡は「さて…」と話題を切り出しながら椅子に腰掛けた。
「どうしたのかな?」
直球で尋ねてきた松岡に、私も直球で回答する。
「東京の私立を、受けようと思うんです」
私が大学を決め兼ねていることは、以前より松岡に話してある。
入試直前で決めればいいと思っていたからだ。
大体このくらいのランクの大学を受けたい、という意思さえなかった。
「具体的には?」
「K大かS大の経済学部を第一志望に、あとはT大といくつか。自分の実力に見合いそうな大学を選びました」
相槌を打ちながら私の話を聞く松岡。
ファイルから取り出された紙切れは、私の成績表だった。
松岡がそれを見つめ始め、短い沈黙。
そして松岡が発した言葉は、信じられないものだった。
「K大なら…久住さん、推薦受けられるかもしれない」
「え!」
耳を疑った。
まともに勉強してこなかった私には、推薦など端から諦めていた。
そんな私に、一筋の希望が差し込んでいる。
「内申点、ぎりぎり足りてるんだよね。書類は僕がある程度上手いこと書いてあげられるし。あとは、他に志願者がいなければ」
「どうしたのかな?」
直球で尋ねてきた松岡に、私も直球で回答する。
「東京の私立を、受けようと思うんです」
私が大学を決め兼ねていることは、以前より松岡に話してある。
入試直前で決めればいいと思っていたからだ。
大体このくらいのランクの大学を受けたい、という意思さえなかった。
「具体的には?」
「K大かS大の経済学部を第一志望に、あとはT大といくつか。自分の実力に見合いそうな大学を選びました」
相槌を打ちながら私の話を聞く松岡。
ファイルから取り出された紙切れは、私の成績表だった。
松岡がそれを見つめ始め、短い沈黙。
そして松岡が発した言葉は、信じられないものだった。
「K大なら…久住さん、推薦受けられるかもしれない」
「え!」
耳を疑った。
まともに勉強してこなかった私には、推薦など端から諦めていた。
そんな私に、一筋の希望が差し込んでいる。
「内申点、ぎりぎり足りてるんだよね。書類は僕がある程度上手いこと書いてあげられるし。あとは、他に志願者がいなければ」