海までの距離


件名「お疲れ様です」

本文「本日、担任と個人面談してきました。
K大学の推薦を頂けることになりました!」


海影さんへのメールはなるべく簡潔に。
テンポ良く連絡を取りたいからね。
と言っても、まだ撮影中だったら返信はいつになるか分からない。
私は携帯をベッドに投げて、晩御飯の時間まで少し勉強をしようとした。
と、その時。


「うわ!?」


バイブレートする携帯。
着信を知らせる画面に表れた名前は…海影さん!?
えっ、今まで電話がかかってきたことなんて1度もなかったのに!
突然のことに久しぶりに発動する緊張と手の震え。


「も、もしもし!?」

『おー、お疲れ』


携帯から聞こえるのは、確かに海影さんの声。
数週間ぶりに聞く、海影さんの声。


「いきなりどうしたんですか!?」

『ん?メール見たからさ』

「だって、撮影…」

『俺の番は次。今、頭に花が乗ってるよ』

「花!?」

『白い花。後で写真撮って送ってやるよ。我ながらイケてる衣裳だわ、こりゃ』


やたらと上機嫌な海影さん。
海影さんの頭に花が?想像がつかない。
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