海までの距離
『そんなことより!なに、推薦貰ったんだって?』
「えっ?」
『す・い・せ・ん!』
もしかして、そのことでわざわざ電話をくれたってこと?
海影さんからしたら、些細な報告なのに?
「は、はい。今日の放課後、担任と面談して…K大かS大を目指しますって言ったら、K大なら推薦枠があるって…」
『K大って言ったら、ライが通ってるんだよ。あいつはK大の法学部だ』
「…え?」
遠くで『海影君、呼んだー?』っいう声がした。
『いや、お前は呼んでない。…で、ライは今K大に通ってるからさ、真耶ちゃんがK大受けるって言ってびっくりしちゃったわけ』
「え、まさか、嘘!」
私のあまりの動揺ぶりに、海影さんが笑う。
『嘘なわけあるかい。学部はどこ受けるの?』
「経済学部、です」
『ふーん。大学の推薦ってよく分かんないけどさ、志望理由みたいなのも書くんだろ?』
「ええ、確か…」
『真耶ちゃんなら、文章書くの得意だからそこは平気だな』