Rose of blood *short story*
アルファナの娘の部屋に近づくにつれ、娘の気配がどんどん濃くなっていく。


だが、あの女の気配はしない。


これで一緒にいればさすがだなと思うが、同時にもしいなかったらどうする…という不安も芽生える。


部屋のドアを乱暴に開けると、一番に女の姿が飛び込んできた。



『直ぐにここを出る準備をしろ』

「どういうこと!?」

『つべこべ言うな。俺に従う契約だろう』



俺の言葉に不安そうな顔を浮かべながら出る準備を始める女。


アルファナの娘は俺に怯えているのか、こちらを見て震えながらその場に立ち尽くしている。


そんな娘に女は急いで上着を着せている。


女は娘の手を取ったが、娘は恐怖のあまり動けないようだ。



『そんな女放っておけ』

「嫌よッッ!!アイシャ!!お願い!!カインはもおうあなたに何もしないわ」



相変わらず他人の事だというのに一生懸命な奴だなと思った。


そう思っていると、女が娘の頬を引っ叩き正直少し驚いた。


だがそのお陰で娘は正気を取り戻したようだ。





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