【短編】メガネ女の悲劇
「ジュン……?」
何してるの?
――…女の子と腕組んで、何してるの?
不思議と涙は溢れなかった。
何となく…分かっていたからかな。
今日の朝、優斗くんに怒ったのは不安の核心をつかれたから。
ずっと言い聞かせていたの。
ジュンはそんな事しないって。どこからそんな自信が出ていたのか、今はサッパリだけど。
でも、誰だって何回も無断外泊されたら疑うって。あたしもそこまで馬鹿じゃないもの。
抱かれる時も全然、愛を感じなかった。
ジュンからの愛を感じた事がない。
あたしは、ジュンにとって都合のいい女でしかないんだ