I LOVE YOUが聴きたくて
「あ、コレも買おう」

怜樹は、硝子細工のプレートのようなものを手に取った。
それは、幾つもの窪みがある。

「絵の具のパレットに使いたいな。あ、でも、せっかく綺麗だからもったいないかな」

怜樹は、呟きながら手に取った。

「プレゼントする!」

魅麗は、怜樹に買ってもらうのに気がひけていた。

「何言ってるの。駄目だよ」

怜樹は、怒り顔をした。
「ごめんなさい」

魅麗は、素直になり、うつ向く。

「なぁ~んてね」

そう言って、怜樹は舌を出して笑った。

「店員さん、コレ下さい」

怜樹は、改まって、魅麗に言う。

「はい。有難うございます」

魅麗は、お辞儀をしながらを丁寧に言うと、怜樹から、商品を受け取った。

手と手が、触れる。

魅麗は、目を背けて、カウンターへと運んだ。

そんな魅麗の様子を、怜樹は、何も言わずに見ていた。
少し残念な気持ちを感じていた。

【せっかく、昔みたいに笑い合えたと思ったのにな………。魅麗、変わってしまったのかな。時間がそうさせたのかな。僕も、変わらないといけないのかな…】
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